英語の勉強メモ

英文中で出会った表現のメモや、英語に関わる文献のメモです。

2018-01-01から1年間の記事一覧

addの分詞構文

2018も思うようには英文はたくさん読めなかったが、コツコツといろんな表現は記録してきた。最後にaddを用いた分詞構文についてメモをしておく。青学の問題に次のような英文が出てくる。 Even if you have managed to find your way through the complexitie…

wh-amalgam

京都女子大の入試問題で次のような英文が出てくる。 (1)A huge black space then opened up in front of me and I fell inside it. I couldn't see what was in front of me and I couldn't hear anything around me. I couldn't think of anything excep…

whereとfromの組み合わせについての覚書

神戸大の2018の問題で、次のような英文が出てくる。 (1)According to the clock on the stove, which I could see from where I sat, it was 2:45 in the morning. 一般的に、おそらくこういう例ではfrom the place where I satのように、先行詞が省略さ…

in the sense SVという表現について覚書

長崎大で出た長文問題で以下のような英文があった。 (1)The usual argument is that one cannot talk about fashion in Greek and Roman antiquity in the sense we do today because there was no individual taste in the choice of clothing – even th…

no more thanの解釈

個人的に好きな英語の構文としてはno more thanがある。というかそもそも比較というテーマが好きなのだが、その中でもno more thanはやはり最高に面白い。さて、no more thanといえばいつもどんな時も自動的に「~でないように・・・ない」と訳す人が多いが…

the wayの解釈 - 京大2017の問題から

京都大学の2017年の読解問題で、以下のような下線を訳す問題が出題されている。 Desertification as a concept is extremely important, however, not least because the fear it generates drives a multimillion-dollar global anti-desertification campa…

同族目的語構文(2)

同族目的語構文について久野・高見 (2002) 『日英語の自動詞構文』で一章を割いて議論されている。そこから何点かメモを。 まず、昨日のエントリーで挙げた上智大学の英文で使われたlive a nomadic lifeという表現に関して。このliveは自動詞ではなく他動詞…

同族目的語構文(1)

上智大学の長文問題で以下のような一文が出てくる。 (1)Before that time, people lived a nomadic existence based on hunting and gathering. 良く知られているように、liveは自動詞で目的語は取らない。しかし、上の英文では、目的語を取っているよう…

懸垂分詞構文について

早瀬尚子 (2009) 「懸垂分詞構文を動機づける「内」の視点」から何点かメモをしておく。 受験の作文でもよく言われることかもしれないが、次の(1)の日本語の英訳としては(2)よりも(3)がよい。 (1)ドアを開けると、見知らぬ女性が立っていた。 (…

approving looksという表現

大先輩田上先生の本を読んでいて、自分が大学生の時に見てものすごく違和感があった表現を思い出したので、簡単にメモ。 (1)Even Bob gave her a couple of approving looks.(法政大) 言いたいことはもちろんわかる。うんうん、と言った感じのまなざし…

before節内の過去完了と関連事項

大学の(大)先輩でもあり職場の(大)先輩でもある田上芳彦先生の『英文法の「例外」の底力』(プレイス)という本が最近出版され、その中でbeforeの節中で過去完了形が使われているケースが取り上げられている。 <X before Y>という構文ではXがYよりも時…

usingについて

2018年の関西大学の長文問題に次のような一文がある。 (1)Nevertheless, recent findings in Belgium of cave bear bones dotted with red paint suggest that prehistoric people may have conducted some kinds of ceremonies using such bones. ここで…

結果構文(3)- Goldberg and Jackendoff (2004)から

結果構文についてGoldberg, A. E., & Jackendoff, R. (2004) "The English resultative as a family of constructions." Language, 532-568.から一部メモをしておく。 この論文の筆者はconstructional approachという観点から結果構文について述べている。彼…

結果構文(2)

昨日のエントリーでは「描写述語はwh移動が許されないが結果述語は許される」と書いたが、この一般化に久野・高見 (2018)は反論している。 (1)*How angry did John leave the room?(描写構文) (2)*How raw did John eat he meat?(描写構文) (3)…

結果構文(1)

2018年の日本大学で出題された英文に以下のようなものがある。 A driver is trapped in a blazing lorry. There is no way in which he can be saved. He will soon burn to death. A friend of the driver is standing by the lorry. This friend has a gun…

as well asの解釈

日本女子大学の入試で使われた英文に、次のような二文が出てくる。 (1)It would be wrong, however, to automatically discard new technologies simply because they contain a risk element. Most modern technology has benefits as well as drawbacks…

京都大学2018 - 行為解説の進行形

たまには予備校の先生らしいことを書いてみたい。ということでちょうどいいネタ。 京都大学2018の英語の大問1の下線部和訳問題が以下のようになっている。 All of which is to say that how you help matters just as much as that you do help, which is w…

constituency testsについて(2) One-Substitution

引き続きAarts(2017)よりメモ。one代用形について。この本では以下のように書いてある。 (1)One-Substitution:one代用形はN'-constituentsの代用をする。 さて、困ったことに、この説明をメモするには、樹形図を書かなくてはいけないが、このブログ上(…

constituency testsについて(1)

Aarts, B. (2017). English syntax and argumentation.の12章Constituency: Movement and Substitutionより、構成素テストについてメモ。 まず最初に。 (1)Movement Test : もし文中である語の連なりを一つの場所から別の場所に移動できるなら、その連な…

描写構文(3)

描写構文についてAarts (1995)より。 Halliday (1967)を引いて、二次述語の解釈では、描写、結果に加え、条件の読みもあると述べている。 (1)I can carry it empty. (2)I can carry it while it is empty. (3)I can carry it (only) if it is empty…

描写構文(2)

描写構文について追加。 昨日の記事で書いたように一般に描写述語は「一時的状態」を述べるものでなくてはならず(ステージレベル述語)、恒常的な状態を表すもの(個体レベル述語)ではいけないと言われているが、久野・高見(2018)ではその定式化に反対し…

描写構文(1)

一般にSVOCと言えば、次のような表現が思いつく。 (1)Mary found the book interesting. これと似た構文として(2)のようなものがある。 (2)Mary ate the carrots raw. 「メアリーはニンジンを生で食べた」 学校文法では上のタイプの構文で出てくるi…

主語から主語への繰り上げ(3)

主語から主語への繰り上げに似ていると思われる以下のような構文がある。 (1)That book seems like it will sell well. (2)It seems like the book will sell well. (3)She seems as if she is quite well again. (4)It seems as if she is quit…

主語から主語への繰り上げ(2)

主語から主語への繰り上げ(上昇)を伴う構文について何点か追加。 再帰代名詞の先行詞は必ず同じ節中になければいけないが、(1)のような文では再帰代名詞を用いて良いことから、繰り上げ前には不定詞の主語位置にあり、その痕跡が残っていると考えられる…

主語から主語への繰り上げ

英語では同じような内容を表すのに(1)と(2)の両方の形式を用いることができる。 (1)It is likely that John will come. (2)John is likely to come. およそどちらも「ジョンは来そうだ」くらいの意味となる。(3)(4)も同様である。 (3)I…

Huddleston (1993) の感嘆文の説明 - Elliott / Grimshawへの反論(2)

Huddleston (1993)についての続き。 ElliottとGrimshawはpredicateのタイプを、疑問と感嘆について、三種類に分けている。 (1)wonderタイプ:interrogativeは取るがexclamativeは取らない。(⇒4) (2)knowタイプ:interrogative / exclamativeどちら…

Huddleston (1993) の感嘆文の説明 - Elliott / Grimshawへの反論(1)

感嘆文についての記事で「本来感嘆文ではwhatとhowのみが使われるが、文中に埋め込まれる場合はそれ以外のwh語も使える」と書いたが、このElliott (1971,1974)とGrimshaw (1979)の見解に対して、Huddleston (1993)は、そうした分析は誤りで、whatとhow以外は…

Dixon (2005) の説明

昨日の「感嘆文(2)」で触れたknow thatの否定形について、 Dixon, Robert M. W. (2005) A Semantic Approach to English Grammar. Oxford: Oxford University Press. の説明をメモ(p238-9)。(以下は概要。例文番号なども原書とは違う。) --------------…

Huddlestonの書評で拾った表現

Declerckに対するHuddlestonの書評から拾った勉強になりそうな表現のメモ ①The first thing that has to be said (about X) is that ... 本文中で以下のように使われている。 The first thing that has to be said about this book is that it is rather mis…

感嘆文について(2)

引き続き感嘆文について。 疑問文ではanyが許されるが、感嘆文では不可。 (1)How does Joe save any money? (2)*How Joe saves any money! これは間接文の場合も以下が示すように同様である。 (3)I don't know how Joe saves any money. (4)*It'…