英語の勉強メモ

英文中で出会った表現のメモや、英語に関わる文献のメモです。

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

as well asの解釈

日本女子大学の入試で使われた英文に、次のような二文が出てくる。 (1)It would be wrong, however, to automatically discard new technologies simply because they contain a risk element. Most modern technology has benefits as well as drawbacks…

京都大学2018 - 行為解説の進行形

たまには予備校の先生らしいことを書いてみたい。ということでちょうどいいネタ。 京都大学2018の英語の大問1の下線部和訳問題が以下のようになっている。 All of which is to say that how you help matters just as much as that you do help, which is w…

constituency testsについて(2) One-Substitution

引き続きAarts(2017)よりメモ。one代用形について。この本では以下のように書いてある。 (1)One-Substitution:one代用形はN'-constituentsの代用をする。 さて、困ったことに、この説明をメモするには、樹形図を書かなくてはいけないが、このブログ上(…

constituency testsについて(1)

Aarts, B. (2017). English syntax and argumentation.の12章Constituency: Movement and Substitutionより、構成素テストについてメモ。 まず最初に。 (1)Movement Test : もし文中である語の連なりを一つの場所から別の場所に移動できるなら、その連な…

描写構文(3)

描写構文についてAarts (1995)より。 Halliday (1967)を引いて、二次述語の解釈では、描写、結果に加え、条件の読みもあると述べている。 (1)I can carry it empty. (2)I can carry it while it is empty. (3)I can carry it (only) if it is empty…

描写構文(2)

描写構文について追加。 昨日の記事で書いたように一般に描写述語は「一時的状態」を述べるものでなくてはならず(ステージレベル述語)、恒常的な状態を表すもの(個体レベル述語)ではいけないと言われているが、久野・高見(2018)ではその定式化に反対し…

描写構文(1)

一般にSVOCと言えば、次のような表現が思いつく。 (1)Mary found the book interesting. これと似た構文として(2)のようなものがある。 (2)Mary ate the carrots raw. 「メアリーはニンジンを生で食べた」 学校文法では上のタイプの構文で出てくるi…

主語から主語への繰り上げ(3)

主語から主語への繰り上げに似ていると思われる以下のような構文がある。 (1)That book seems like it will sell well. (2)It seems like the book will sell well. (3)She seems as if she is quite well again. (4)It seems as if she is quit…

主語から主語への繰り上げ(2)

主語から主語への繰り上げ(上昇)を伴う構文について何点か追加。 再帰代名詞の先行詞は必ず同じ節中になければいけないが、(1)のような文では再帰代名詞を用いて良いことから、繰り上げ前には不定詞の主語位置にあり、その痕跡が残っていると考えられる…

主語から主語への繰り上げ

英語では同じような内容を表すのに(1)と(2)の両方の形式を用いることができる。 (1)It is likely that John will come. (2)John is likely to come. およそどちらも「ジョンは来そうだ」くらいの意味となる。(3)(4)も同様である。 (3)I…

Huddleston (1993) の感嘆文の説明 - Elliott / Grimshawへの反論(2)

Huddleston (1993)についての続き。 ElliottとGrimshawはpredicateのタイプを、疑問と感嘆について、三種類に分けている。 (1)wonderタイプ:interrogativeは取るがexclamativeは取らない。(⇒4) (2)knowタイプ:interrogative / exclamativeどちら…

Huddleston (1993) の感嘆文の説明 - Elliott / Grimshawへの反論(1)

感嘆文についての記事で「本来感嘆文ではwhatとhowのみが使われるが、文中に埋め込まれる場合はそれ以外のwh語も使える」と書いたが、このElliott (1971,1974)とGrimshaw (1979)の見解に対して、Huddleston (1993)は、そうした分析は誤りで、whatとhow以外は…

Dixon (2005) の説明

昨日の「感嘆文(2)」で触れたknow thatの否定形について、 Dixon, Robert M. W. (2005) A Semantic Approach to English Grammar. Oxford: Oxford University Press. の説明をメモ(p238-9)。(以下は概要。例文番号なども原書とは違う。) --------------…

Huddlestonの書評で拾った表現

Declerckに対するHuddlestonの書評から拾った勉強になりそうな表現のメモ ①The first thing that has to be said (about X) is that ... 本文中で以下のように使われている。 The first thing that has to be said about this book is that it is rather mis…

感嘆文について(2)

引き続き感嘆文について。 疑問文ではanyが許されるが、感嘆文では不可。 (1)How does Joe save any money? (2)*How Joe saves any money! これは間接文の場合も以下が示すように同様である。 (3)I don't know how Joe saves any money. (4)*It'…

感嘆文について

英語の文法において、疑問文と感嘆文は同じwh-を使う。ただし、語順などのふるまいは当然違う。 (1)How old is he? (2)How old he is! 一般に疑問文は(1)のように助動詞主語の倒置の語順になるが、感嘆文では(2)のように、平叙文と同じでSVの語…