英語の勉強メモ

英文中で出会った表現のメモや、英語に関わる文献のメモです。

as well asの解釈

日本女子大学の入試で使われた英文に、次のような二文が出てくる。

(1)It would be wrong, however, to automatically discard new technologies simply because they contain a risk element. Most modern technology has benefits as well as drawbacks and the question is how to balance the two.(日本女子大

 

これは、原子力について述べた英文で、エネルギー問題を解決してくれると最初は思われたが、だんだん原子力に問題があることが分かっていった、というような内容の英文である。

 

さて、ここで、線を引いたas well asを解釈について考えてみる。

一般的にA as well as Bという表現があったときに、意味は「B同様にA」となる。メインはAだ、などと説明されることがある。(1)でも同じように解釈すると、「ほとんどの現代の科学技術には欠点だけでなく利点もある」となる。しかし、よくよく考えてみれば、科学技術にとって前提とされるのは、「利点」の方ではないか。さらに、「危険な要素があるからと言ってそれだけで自動的にその技術を放棄するというのは間違っているだろう」の後ろに続くわけだから、いつもの解釈では話が通らないだろう。

 

よって、ここでは逆にして、「ほとんどの現代の科学技術には、利点だけでなく欠点もあるのだ(要するに、科学技術には欠点はつきもの)」と解釈するべきだと思う。要するに、ここでの A as well as Bは「A同様にB」と読む。そういうケースがあると知ると、僕は英語が面白いと思う。

 

ついでながら、compriseについて入試の英文からメモをしておく。

(2)The service staff comprised mainly women in their forties.(東北医科大)

(3)In Texas, African-Americans and Mexican-Americans comprise 40 percent of the population, but a far smaller proportion of the legal profession. (国士舘大

 

この動詞は一般の辞書でも記述されているが、A comprise Bで「AがBを構成する」の場合と「AはBから構成される」の場合の二つがある。本来的には後者の意味らしいが、普通に前者の意味でも使われる。(2)は「構成される」の意味で、(3)は「構成する」の意味になる。この動詞で起きている「ひっくり返る」現象とさっきのA as well as Bの「ひっくり返る」現象は非常によく似ている。認知言語学ではこういうのを「図と地の反転」と言ったはず。