英語の勉強メモ

英文中で出会った表現のメモや、英語に関わる文献のメモです。

大学入試 飛躍のフレーズ IDIOMATIC300 の使い方

 

IDIOMATIC300は名前の通り「英語でよく使われるフレーズ」を学ぶための本です。熟語帳的でもあり、単語帳的でもあり、文法問題集・英文解釈問題集的な側面もあります。一言で言えば、「とにかく英語でよく使われるものを勉強する」ための参考書です。書いた僕自身が思う効果的な使い方を紹介します。

 

 

1.基本的な使い方

(1)別冊の問題集に取り組む

本の中でも書いていますが、まずは別冊の問題集に取り組んでください。1日10問ですが、例えば大変であれば1日5問ずつでもよいでしょう。前半が空欄補充問題、後半が並べ替え問題です。並べ替えは普通に解いてもらえばいいですが、空欄補充問題は少し注意が必要です。以下のように取り組んでみてください。

まず、右ページを隠し、ヒント(選択肢)を見ずに答えを考えてください。「自分は英語苦手だから」という方も、まずは選択肢を隠して答えを考えることをお勧めします。そうやって空欄の前後の単語や表現、あるいは文脈から何が入るかを考えることは絶対に皆さんの英語力にとってプラスに働くはずです。基本的に答えとなる単語はほぼすべて基本単語ですから、空欄に入る単語そのものを知らない、ということはほぼないと思います。そして、

(A)どんなに考えても答えが思いつかない → ヒントを見てそこから答えを考えましょう。

(B)答えが思いついた → ヒントを見てそこに思った答えがあるか確認してみましょう。

これを10問分(あるいは自分がやると決めた分)やったのちに答え合わせをします。

 

(2)本冊の解説を読む

問題の答えとなる表現をまず解説していますのでそこを読みます。この段階で覚えようとしてマーカーを引いたりしてもよいですが、個人的なおススメは、一周目は「とにかく通読する」ことを目標にやることです。あまり最初から覚えようとしてやると大変で途中で嫌になってしまうかもしれません。なので一週目は気楽に「問題を解いて答えを確認して解説を読む」のがよいと思います。

 

★★★本の中では「覚えること」とか「暗記」とか書いていますが、もちろん覚えたり暗記できるに越したことはないですが、まずは「よく使われる言い方なんだ」ということ自体を知ることが大切だと僕は思っています。僕の周りには僕には全然かなわないくらいによく英語ができる人がたくさんいて、そういう人たちが「これよく使う言い方だよね」と言っているのを聞いた後は不思議とその表現に英文の中で出会うことが多いのです。もちろんこれは「表現について聞くと、急に出現頻度が増える」という神秘的な現象が起きているわけではなく、「(これまでも散々出会っていたけど、別にそれが特別よく使われる表現だと思っていなかったので全く意識されることがなかったけど)よくあると言われたうえで見ると、『そう言えばよくあるって言ってたなあ』という風に意識が向かうようになる」ということです。IDIOMATIC300に取り組んで、みなさんにも同じ「そう言えばよくあると言っていたなあ」という体験を沢山して欲しい、それがこの本を書いた大きな動機です。だから、まずは「よくあるらしい」ということを知ることに意味があります。ということで、まずは無理に覚えようとせずに、まずは一周することを目標に取り組んでもらえたらと思います。★★★

 

(3)2(3、4~n)回目に取り組む

2回目以降は、なるべく覚えるつもりで読み進めるとよいでしょう。とは言っても、なかなか覚えるのは難しいと思いますから、一気に暗記する、というのではなく、何度も繰り返して気づいたら覚えている、というのを目指すとよいと思います。本書でに出てくるフレーズや表現は本書以外で長文を読んだりする中でも絶対繰り返し出会うものですから、気づいた時にはいつの間にか何十回と触れているはずです。なので、何度も何度も繰り返し取り組む中で自然と記憶に定着することが期待できます。

問題文や解説中の収録フレーズには音声がついているので、ぜひそれも活用してください。読んで取り組んだ部分の音声を電車などの移動中に聴く、などなど、色々な活用法が考えられると思います。

 

 

2.発展的な使い方

以上が基本的な(僕が想定している)使い方ですが、これ以外の本書のおススメの使い方を挙げてみますのでよかったら参考にしてみてください。

 

(1)答え以外のよくある言い回しを予想する

IDIOMATIC300で一番苦労したのは、問題文をいかに「よく使うフレーズだらけ」にするかです。問題の解答になる部分以外にもなるべく「よく使うフレーズ」を使うようにしました。その部分は本冊では「ここにも注目」という形で解説しています。なので、自信のある人は、問題を解きながら、「問題になっている箇所以外で、この言い回しもよく使われる言い回しなのでは??」と予想を立ててみてください。本書はそういう楽しみ方もできます。

 

(2)ディクテーション

IDIOMATIC300は音声も充実しています。アメリカ英語だけでなくイギリス英語も含まれ、全部で5名のネイティブスピーカーに協力いただいています。問題文は長さ的にもちょうどディクテーション(流れてきた音声を書きとる)にも向いていると思います。

 

(3)別の穴埋め問題を作る

上で書いた通り問題文はよくある言い回しで埋め尽くされているので、問題の答えになる部分以外も大切です。なので、問題文をノートに写すなどして、問題の解答以外の箇所で自分で空所を開けてオリジナル問題を作ることもできます。

 

(4)自分が出会った用例を追加

フレーズを集めたと言ってもこれ一冊で完璧なわけではありませんから、辞書を引きつつ必要だと思った用例を書き足す、自分が文章を読んでいて出会った用例を書き足す、などしながら進めていくとさらなる飛躍につながるでしょう。

 

 

最後に一言。よく使われるフレーズというのは当然本書では書ききれないくらいにあります。本書に取り組んだ後の皆さんは、きっと長文を読んだり英語に触れていく中で、自分自身で「これはよく使われている気がする」と気づけるようになると思います。そうなれるよう、応援しています。