英語の勉強メモ

英文中で出会った表現のメモや、英語に関わる文献のメモです。

take some ing構文

玉川大の過去問で次のような問題がある。

 

Take this coat to the laundry. It's so dirty that it(   ).
1. needs to wash    2. has it cleaned
3. needs washing   4. wants cleaned

 

受験ではおなじみの問題でneed ingで「~される必要がある」というような受身的意味を表す、という知識を問う問題。答えは3になる。個人的にはtough構文に似た構造だと思っていて、ingの後ろに空白ができ、それが文の主語に一致する形になっている。

 

こうした構造を取る動詞にはその他want / require / deserveなどがあるとよく言われるが、takeにも同じような構造が取れる。

 

ただし、takeの場合、必ず数量表現のsome / a lot ofなどがつく。

 

(1)My homestay family has been really kind. Of course, bathing customs took some getting used to.(玉川大)

 

前置詞のtoの次が空白になっている。take some getting used toで「慣れるのにはいくらか時間がかかる」くらいの意味。

 

この表現はほぼ熟語化していると考えられるが、少ないながらも他の動詞表現がこの構文で用いられることもあるという。

 

(2)But they do take a lot of, well, looking after to keep them healthy and happy.(北里大)

 

「ちゃんと面倒を見るのは本当に大変」くらいの意味だろう。なお、theyは霊長類のことを指している。

 

「動詞takeと遡及動名詞構文」(住吉誠)という論文から別の例を挙げておく。

 

(3)He took a lot of convincing that it was, indeed, the same fish.

 

これは「that以下と説得するのが難しかった」の意味である。コーパスで見つかるこの構文の動詞の例がたくさん列挙されているが、とりあえず多いのはgetting used to / convincing / persuadingらしい。また、意味としては、「~するのに時間がかかる」という場合と「~するのが難しい」のいずれかになる。なお、take some doingという言い方もあるが、こちらは例えばLongmanでは<to be hard work>と説明されているように、辞書でも熟語的表現として取り上げられている。

 

なお、needなどでも同じように数量表現がつくこともあるので注意。

 

(3)And the Americans will need a lot of persuading that such a global system to reduce greenhouse gases can work.(中央大)

 

いやぁよく見つけたわこんな例(笑)

 

なお、似たような後ろに空白ができるタイプの動名詞(遡及動名詞と言うこともある)を従える動詞等の表現には、need / require / want / take / be worth / deserve / merit / bearなどがあるが、これらの中でも文法上のふるまいには違いがある。例えば、いくら受身だからと言ってby句を付けられるかというと、次の例(COCAから)のようにneedはつけられるがbe worth等はつけられない。

 

(4)These women don't need rescuing by someone else, namely, a man; they can, in fact, do some rescuing themselves if need be, bringing their own sense and sensuality - not to mention money-to any romance, marital or otherwise.

 

ちなみにここでは後続の文でdo some rescuingと言っていて、もはや名詞化している感もある。