英語の勉強メモ

英文中で出会った表現のメモや、英語に関わる文献のメモです。

度量句について

(1)The largest cave is nearly five meters deep and can shelter up to 85 turtles at a time. (京都産業大

 

英語には(1)の下線部に示されるような、形容詞の具体的な数値を前において示す用法がある。八木孝夫(1987)『程度表現と比較構造』によると、この形を取れる形容詞はかなり限られており、具体的には以下のものが挙げられている。

 

・broad / deep / distant / high / long / old / tall / thick / wide / pregnant / strong / overweight / early / late / short / (時計が)fast / (時計が)slow

 

以下該当する表現を入試問題より二つほど挙げておく。

(2)When I was five months pregnant, though I admit I did not look it in my winter coat, I was sitting on the subway when two middle-aged women got on: there were no more seats so they stood in front of me, hanging onto straps, and started to complain, very pointedly, about the ill manners of the young.(共立女子大)

 

(3) That clock is fifteen minutes fast.(立正大)

 

なお、COCAで~minutes [seconds / hours] slow [fast]の形で検索をかけると、たったの20例ほどしか出てこないので、そんなに頻繁に使われるものではないのだろう。

 

さて、*John is seventy kilos heavy.とは言えないが、代わりにJohn weighs seventy kilos.があり、同じように、*The book is six dolloars dear / expensive.と言えない代わりにThe book costs six dollars.と言える、という事実がある。このことに関して同書では、「一般に、ある尺度について一般動詞+度量句の表現が存在する場合、対応するbe+[度量句+形容詞]の表現は存在しないと言える。」と書いてあり、なるほどぉという感じ。

 

そういえば、こういうcost / weighなどの度量を表す動詞の場合、主語が主題で目的語は主語が存在する場所を表す、ということで主題役割は場所の扱いになるらしい。Jackendoffが言うところの主題階層において、受動文のby句で表される名詞は受動文の主語よりも子の階層において高い位置になくてはいけない、というような制約が提案されたことがあった。よって、cost / weighなどを受け身で使うとこの階層が逆転するので非文になる、という説明がされていた気がする。

 

が、そんなこと言わなくったって、costとかweighなんて受け身にしようと思う人なんていないと思うけどね・・・。